ストレス社会とも言われている現代、多くの人がストレスを抱えながら日常生活を送っています。
ストレスとは一体何なのか、その正体を知るとともに正しく理解して上手く付き合っていくように心がけましょう。
日常生活には実にさまざまなストレッサーが存在します。まずはストレスのメカニズムを理解して正しい対処方法を身につけておくことをおすすめします。
ストレスの正体
「最近ストレスが溜まっていて…」といった会話は日常的によく耳にしますが、そもそもストレスというのは精神的な負担を負わせるものではなく外部からの刺激によって心身に負担が生じるもののことをあらわします。
ストレスへの対処方法の一つでもあるストレスコーピングという技術をご存知でしょうか。これは、ストレスに対処する力を高める認知行動療法的な観点を持ち合わせていて、個人の認知の方法に働きかけて感情の変化を促します。
このストレスコーピングを行うことによって精神的にも身体的にも負担を減らすことが可能になりますので、日常生活に取り入れていきましょう。
ストレスコーピングでストレスに上手く対処する
ストレスコーピングを行うことによってうつ病をはじめとするさまざまな精神的疾患の発症を予防することが可能です。
ストレスコーピングの種類としましては、「問題焦点型」「ストレス解消型」「情動焦点型」があげられます。これらをさらに細分化すると次のようになります。
「問題焦点型」
・問題焦点型コーピング
問題焦点型コーピングは、ストレッサーそのものに直接働きかけて問題解決の糸口を見つけようというもので、問題点や課題が明確になります。
・社会的支援探索型コーピング
社会的支援探索型コーピングは、周囲の人に相談することによって問題を解決するという方法です。
「ストレス解消型」
・気晴らし型コーピング
気晴らし型コーピングは、好きな音楽を聴いたり美味しいものを食べたりと、自分が好きなことをすることによって気分転換をすることで、最も一般的なコーピングで日常的に行う対処法だと言えます。
・リラクゼーション型、その他コーピング
リラクゼーションもまたストレスコーピングの一つです。リラクゼーションを日常生活に習慣として取り入れていくと、身体の緊張がほぐれて精神的にも穏やかになると言えます。
「情動焦点型」
・認知的再評価型コーピング
認知的再評価型コーピングは、ストレッサーに対する考え方を変えるという対処法です。ストレッサーにおける悪い部分のみならず良い部分も見つけることによって自身の認知のゆがみを変えていくという考え方のもと行います。
・情動焦点型コーピング
情動焦点型コーピングは、ストレッサーによって傷ついた気持ちを誰かに話すことによって感情を発散して整理する方法です。
一人で抱え込まないようにする
ストレスを一人で抱え込まないようにすることを意識することも大切です。
職場の環境におけるストレスなどは上司に相談して環境の改善に取り組んでもらいましょう。
上司によるパワーハラスメントなどのストレスは、職場や公的機関における相談窓口で相談することによって医師や産業医の指導を受けることもできますのでおすすめします。
自分一人で解決しようとする必要はありません。それにはかなりの労力と時間を要することになりますし、その結果更なる心身の不調を招くことも考えられます。専門家や信頼できる人に相談することによって症状が軽減されることもありますので、積極的に相談するように心がけましょう。
多くの専門家に相談することで問題解決の糸口を見出すまでの時間が短縮されますので、一人で抱え込まないように気を付けましょう。
まとめ
ストレスを溜め込んだまま放置していると精神的な疾患のみならず拒食症や過食症、円形脱毛症や自律神経失調症といった身体的な疾患も引き起こしかねませんので注意が必要です。
日頃からストレス反応を見落とさないように心がけるとともに、ストレス解消方法を実践することはもちろん、適切なストレスコーピングを行うように心がけましょう。そうすることによって自身の心と身体が守られますし、さまざまな疾患の予防や健康促進に繋がります。
問題を解決したいという強い気持ちが大切です。漠然とした気持ちではなく、しっかりとストレスと向き合って自覚しましょう。まずは自身のストレスに気づくことが大切です。自分は大丈夫と思い込んだりストレス反応から目を背けるのは良くありません。コーピングすなわち対処することを目的としたストレスコーピングは、ストレスに上手く対処しようとすることをあらわします。心身に大きな異状をきたす前にしっかりと対処するように心がけましょう。
心身の健康を維持するためにも自分を楽にする術が何なのか、時にはじっくりと考えることも大切です。現代人の多くが忙しい日々を送っていますが、意識して考える時間を作ることがストレス対処方法の第一歩だとも言えますので取り入れてみてください。